出張セミナー
サイエンス・エンジェル 出張セミナー

vol.2  2009年11月13日(金) 山形県立山形東高等学校  

  大場 歩  [農学研究科 生物産業創成科学専攻 生物産業情報科学講座 遺伝子情報システム学分野]
  講演タイトル:カビ(真菌)の薬剤耐性獲得の原因を探れ!

大場さん

私は今回、「カビの薬剤耐性について」という、農学部でできる医学部に近い研究テーマのひとつを紹介させていただきました。カビにはヒトに感染するものがあるというところから始まり、その中でもどんなカビを対象にしているのか、様々ある抗真菌剤の中でもどの薬剤に耐性を示す遺伝子の探索を行っているか、この研究を行うことで将来どのような応用が期待されるかについてお話しました。

大学生になってからもどこか医学部進学を諦めきれなかった私ですが、このテーマに出逢えてこの研究分野で社会に還元できるようなことをしたいと思えるようになりました。夢を持つことは大事なこと、それを叶えるために努力する事も勿論大事、ですが、もしその道に進めなかったとしても、そこから新しい道が拓けることもあるかもしれません。高校生の皆さんには、大きな夢を持ち、そして叶えるために必死になって頑張っていただきたい。ですが、万が一そこからはずれてしまっても、また新しい夢は見つかるはずですのでそこでがんばっていただきたい、そう思います(勿論、やっぱりこの道じゃなきゃだめだ!と思ってやり直すのもありです)自分のここまでの軌跡を振り返る意味でも、いい経験になりました。

今回は初めて企画まで担当させていただき、無事出張セミナーを大成功におさめることができてほっとしています。これも全て、一緒に打ち合わせや準備をし、講演やパネルディスカッションに臨んだSA五十嵐さん、中村さん、そして打ち合わせのときから暖かく見守ってサポートしてくださった橋爪先生のおかげだと思っています。本当にありがとうございました。

  中村 江里  [理学研究科 ニュートリノ科学研究センター
  講演タイトル:望遠鏡で100億年前の宇宙に迫る?

中村さん

天文学は、研究対象物に手を触れることが出来ないという点で、変わった学問です。

では手に取って調べることの出来ないものを、私たちはどうやって研究しているのでしょうか?

ここでポイントになってくるのが、天体が発する光です。

今回はこの光の性質と宇宙膨張を利用して、天体までの距離を測定する方法を紹介しました。

熱心に聞いてくれる生徒さんが多く、進路選択の一助となれればいいと思いました。

  五十嵐 真麻  [医工学研究科 医工学専攻 生体再生医工学 消化管再建医工学]
  講演タイトル:一粒で二度おいしい?医工学ってなんだろう

五十嵐さん

大学や大学院の研究のこと、進路のことなど自分の経験をもとにお話しました。

参加していただいた高校生の皆さんにはとても熱心に聞いていただき、様々な質問もしていただけました。

出身である農学部や研究についても興味をもってもらえたようで、大変うれしく思いました。

セミナーとその準備を通して、日々研究していてよく知っているはずの事柄の中にも思わぬ発見をすることがあり、私自身もとても楽しく、良い経験ができたと思います。

本当にありがとうございました。

 

会場の様子

進路指導の多様な理系選択の紹介の一環として理系志望の高校1、2年生(約40名)を対象に、研究紹介、パネルディスカッションを行いました。はじめにサイエンス・エンジェル活動の紹介が行われ、その後各担当がそれぞれの研究室の生活の紹介や部局別の卒業後の進路の紹介を行い、質疑応答を行いました。担当の先生が事前にチラシを生徒に配布してくださり、そのおかげで部屋は満員となる盛況ぶりで、指導教員の先生のみならず、教科担当の先生も見学に来て下さいました。

研究紹介は難しい印象を与えたようでしたが、パネルディスカッションはとても和やかな雰囲気になり、質疑応答では、「一人暮らしの生活費はどのくらいですか?」、「遅くまで実験して眠くなりませんか?」、「数学が苦手なのですがどうやって克服したら良いですか?」など高校生の率直な質問が寄せられ、セミナー終了後も個別に質問をする姿が見られました。また「東北大学の学生生活に一層強く憧れをもった」、「大学院生の話は大学の先生が話すより、より身近な話として能動的な意識で学問、研究を捉えることができる」という感想をいただき、今回、初めて出張セミナーに参加させていただいたが、これからの研究生活にとても良い刺激になりました。




<出張セミナーの一覧に戻る>