平成20年度から医学部保健学科に修士課程が新設されました。これを機会に星陵キャンパスにおいて、大学院生を含めた女性研究者に対する本学の支援体制についての情報を新入生および在籍者に提供するため、部局交流会を行いました。本交流会を機会に星稜地区全体における女子院生・学生同士のネットワーク作りが進み、交流会後もネットワークが更に発展していくことを期待します。
今回初めての試みとして、子どもがいるから参加できないという気持ちを打破すべく、子ども連れの方々にも参加しやすいように、会場の後方一角にマットを広げ子どもがくつろげるスペースを作りました。保護者が講演を聴いている近くで、子ども達はお絵かきやブロックで遊んでいました。子どもがいても参加できる環境を今後も提供して行きたいと思います。
出席者:50名(SA9名、SAOG2名、教職員14名、その他25名)
東北大学大学院医学系研究科行動医学分野/公衆衛生学分野
博士課程 SA 柿崎真沙子
今までのSAの活動で培ったプレゼン力で杜の都ハードリング支援事業の紹介をしました。女性研究者のキャリアパスの妨げになるハードルを跳び越えるために、東北大学女性支援室は女性研究者を3つの柱で支えています。様々な支援が行われていることが簡潔に説明され、東北大に入ったばかりの新入生にとってわかりやすいものでした。春を感じさせるピンクのきれいなスライドが、女性研究者にとってのハードルを軽やかに跳べそうな気持ちにさせてくれました。
東北大学大学院医学系研究科保健学専攻
准教授 石井恵子先生
東北大学病院病後児保育室運営委員会の石井先生より病後児保育室・星の子ルームを紹介して頂きました。親としては『病気の我が子が心配で仕方がないけれども、何日も職場を休むわけにはいかない。』・・・そんな時に心強いのが星の子ルームです。外部の病後児保育室はお弁当を用意する必要があるのに対して、星の子ルームではお昼代込みの料金で利用することが出来ます。多くの聴講者は、幅広い研究科・ポジションの方が利用されていることを聞いて、利用しやすいことを感じたのではないでしょうか。
東北大学大学院工学研究科機械システムデザイン工学専攻
准教授 佐多教子先生
佐多先生は東北大科学計測研究所(現多元物質科学研究所)の助手を勤められた後、現在は東北大学大学院工学研究科の准教授をされています。
先生ご自身も子育てをしながら研究を続けることを断念することをお考えになったことがありました。その時、当時の先生から「女性が結婚して出産しても教壇に立っている姿を学生に見せてほしい」と励まされ、続けることを決められたそうです。今回その言葉を成し遂げている佐多先生の姿を見て心強いと思った女子学生は少なくありませんでした。研究者は男性の方が向いているかもしれないのではと思う不安が解消されるような講演でした。
東北大学大学院医学系研究科保健学専攻
教授 丸山良子先生
丸山先生は千葉大学看護学部を卒業後、医学系研究科で博士号を修得されました。その後、労働省産業医学総合研究所研究員を経て、現在は本学保健学科の教授をされています。
先生が院生の頃は、女性はたった一人で、女性研究者に対する環境整備も芳しくなかったそうです。そのような環境下の話を、笑いを交えながら講演される先生の姿に、多くの方がもっとお話いただきたいと願ったのではないでしょうか。丸山先生がこれまで、そしてこれからもご活躍されるのも、ただ周りに求めるだけではなく、自分のすべき事を果たし、さらに周りに感謝しているからこそなのだと思います。
東北大学大学院医学系研究科形態形成解析分野
博士課程 SA 梅田稔子
今年3年目を迎えたサイエンス・エンジェルは、全国に活動を広げ多くの方に知って頂けるようになりました。今回の部局交流会には、「TVで見ました」「サイエンス・エンジェルになりたいです」と期待を膨らませて参加して下さった方も多くいらっしゃいました。しかし、東北大学内でもまだ「サイエンス・エンジェルって何?」と聞かれることも少なくありません。なぜ誕生したのか、どんな活動をしているのかを、新規募集を踏まえてサイエンス・エンジェルの活動を紹介しました。
多くの方に参加していただき、「時間が短い」「もっと話したかった」と喜ばしい感想をいただきました。SA希望の学生がたくさん参加し、講演だけでは説明しきれなかったSAの活動について活動経験のあるSAと直接話をし、どこのグループも楽しいトークが行われました。この茶話会を通して違う研究室の学生と交流を深めることができた他、実際に経験されている先生方と交流することで疑問の解決につながる助言をもらうことができたりと、子育てと研究の両立に不安を感じている学生にとって非常に有意義な時間となりました。
《参加者の声》