キャリアアップセミナー 〜ワタシの履歴書〜
『博士号取得のその先って?』


日時:2007年3月5日 15時〜17時
場所:片平キャンパス 材料・物性総合研究棟1号館 大会議室
参加人数:32名
企画・運営:城所比奈子、伊藤淑恵、倉澤香澄(いずれもSA)
ポスター作成:事崎由佳(SA)

講師:窪川 かおる先生
東京大学海洋研究所 先端海洋システム研究センター
海洋システム解析分野 教授

講演 第一部:研究内容の紹介
ホルモン受容体の研究〜繁殖研究のフィールド研究〜内分泌系の進化 (ナメクジウオの研究について)

講演 ■窪川先生の研究履歴は多岐に渡っていますが、それは、研究過程で最初の目的と違う実験結果が出てきたとき、その都度生まれた疑問に対応し続けてきた結果なのだそうです。

■ナメクジウオは、無脊椎動物でありながら脊椎動物の個体発生の初期にだけ出てくる脊索を持っていて、 脊椎動物の起源を調べるために進化上の重要な位置にある動物なのだそうです。生態調査(研究航海)の様子もお話しして下さいました。

■参加者からの「ナメクジウオは泳げますか?」という質問に応えて、産卵行動の動画も見せて下さいました。 普段はほとんど海底の砂の中に潜って生活しているというナメクジウオの活発な動きに、感嘆の声が上がっていました。

--プロフィール--
早稲田大学理工学研究科博士課程を修了、早稲田大学教育学部職員、東京大学海洋研究所助手を経て、現在は東京大学海洋研究所先端海洋システム研究センター教授。

講演 第二部:窪川先生の”文字に書けない履歴書”
博士課程〜現在の教授になるまでのいきさつ、男女共同参画について、世界で活躍されている女性科学者の紹介

講演 ■“いつか自分の時がきたときに、対応できる自分であり続けることが大切。人は見ているから気を抜かないで。女は度胸、媚びずに知的で!” と、チャンスがきた時に逃してしまわないよう、常日頃の準備を怠らないようにアドバイスを下さいました。

■窪川先生は大学院時代から学会の社会活動に積極的に参加し、2006年には東京大学の男女共同参画室員もされていて、男女共同参画についてもお話 し下さいました。
  現在男女共同参画が目指していることとして 「女性研究者の適宜適材適所での能力発揮と生活の向上」「 性差を超えて夢をもてる」
ということを挙げ、 「これらは『女性の問題』という枠にとどまらず『世の中の問題』なのですが、まず『女性の問題』として扱うことによって『世の中の問題』 に対しての突破口を作っていると私は考えています。」と、 その重要性をお話し下さいました。

■世界で活躍されている女性科学者についてのお話では、アジア各国で活躍されている3人の女性研究者を紹介して下さいました。その一人であって、環境ホルモンの研究をされているインドの女性研究者のお話では、”女性は、科学的な問題意識を家事や子育ての中で実践できるので、 その問題の解決へ貢献できるはず”と、科学分野の研究に励む女性研究者・女子学生にとって勇気が湧いてくるようなお話もして下さいました。

 今回の交流会には、企画者の「男性にも参加して頂き、一緒に講演を聞きともに考えたい」という思いがあり、男性・女性を問わず参加を呼びかけました。32名の参加者の内、男性6名の参加があり、質問やアンケートにも参加してくれたのは企画者にとって大きな喜びとなりました。

準備風景企画から運営まで担当したSA。(準備風景)

司会役司会進行役を務めた伊藤さん(SA)。

司会役同じく司会進行役を務めた倉澤さん(SA)。

会場風景窪川先生のお話に聞き入る参加者。

質疑応答質疑応答の様子。

茶話会講演の後に開かれた茶話会。


■参加者の声
  • 非常に良かった。
  • 研究内容や研究に対する姿勢に感激した。
  • 研究についてのお話も興味深かったが、男女共同参画のお話も役立つと思った。
  • 研究者に必要なのは、研究に対する情熱なのかなと感じた。
  • 女性研究者や男女共同参画について、海外の状況も伺うことが出来て面白かった。
  • 自分にそこまでできるのかどうか心配。
  • 今後のことを考えさせられた。