■2007年2月23日 16時〜18時 於:理学部物理A棟225号室

 話題提供者として4名の先輩−本大学理学研究科出身者−を招き、前半の講演会と後半の交流会(茶話会)の二部構成で開催しました。
  「研究を続ける」「就職する」−進路はそれぞれですが、“先輩たちが歩んだ道”に興味をもつ22名の学生・研究者たちが集まり、熱心に話を聴いたり、日頃抱いている疑問や不安を打ち明けて互いにアドバイスをするなど有意義な時間を過ごしました。

■話題提供者の講演

日野 綾さん
神戸製鋼所勤務

日野さん  「素材の研究がやりたかったので、そういったことをお金をかけて研究させてくれる会社を探して決めました。」自らの就職活動を振り返りながら笑顔で話して下さった日野さん。これから就職活動に臨む後輩たちに向けて「何をやらせてもらえるのかという受け身の気持ちよりも、自分がやりたいことをやれるところを探そうという気持ちで。」というアドバイスを下さいました。
--プロフィール--
2005年に理学研究科物理学専攻博士前期課程を修了、現在は(株)神戸製鋼所技術開発本部電子技術研究所薄膜材料研究室にて研究員として勤務されています。

難波 かおりさん
日本IBM勤務

難波さん チームを組んで数々のソフトウェア開発に取り組んできた難波さんは“チームワークの大切さ”を伝えて下さいました。また、社会で働くには知識だけでは通用しないが、院生時代に培った“考え方(理論的な思考力)”がそういったところで知恵として役立っていると、大学院で学ぶ後輩たちに自信を与えるお話もして下さいました。
--プロフィール--
1997年に理学研究科物理学専攻博士前期課程を修了、現在は日本IBM(株)に勤務。子供たちに科学の面白さを伝えるボランティア活動も行っています。

鎌谷 紀子さん
気象庁勤務

鎌谷さん 「理学って社会で何の役に立つの?」学生時代にはこんな疑問を抱いていた時もあったという鎌谷さん。気象庁に就職を決めた理由は「社会と接点があるから」なのだそう。現在の仕事について、「毎日変化がある」「スリリング」「自由に研究できる」というやりがいやメリットはもちろん、不満に感じていることについても“本音”でお話しして下さいました。
--プロフィール--
1994年に理学研究科地学専攻博士後期課程を修了、現在は気象庁地震火山部地震予知情報課で調査官として勤務。震度5弱以上の地震発生時には非常参集し、記者会見用の資料作成を指導。

久利 美和さん
東北大学勤務(女性研究者育成支援推進室)

久利さん  「地学が面白くてもっと勉強したい!と思い、高校2年の後半に文系から理系へ移りました。」と笑顔で話す久利さん。 進路選択などについては「自分の思い込みと適性はもしかしたら違っている可能性もある」と、自らの経験をもとに話した。 筑波大学・大学院在学中〜東北大学での研究プロジェクトなど、様々な環境で柔軟に研究活動を続けてこられた久利さんは、一児の母でもある。仕事と育児の両立についても話しました。
--プロフィール--
1997年に筑波大学地球科学研究科博士課程を修了。現在、東北大学特定領域研究推進センター助手として「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」に従事。

会場風景質問コーナーでは、保育料や企業の育児支援についての質問が上がり、話題提供者の方々が丁寧に答えて下さいました。

司会役司会進行役を務めた矢部真炎さん(SA)と成清久美子さん。(右から)

佐野さんSAとして活動中の佐野亜沙美さん(地学専攻)から、SA制度について紹介しました。

小谷教授 女性研究者育成支援推進室副室長の小谷元子教授より挨拶。

茶話会講演会の後は、テーブルを囲んで茶話会を開きました。

茶話会企業や学会の育児支援など、色々な情報を交換して、とても有意義な時間を過ごしました。

■参加者の声
  • 懇親会(茶話会)まであるとは知らなかった。話題提供者の方々と直接お話し出来てよかった。
  • 具体的なお話が聞けて良かった。社会で活躍する先輩方をかっこいい!と思った。
  • 普段は研究室という閉ざされた場所にいて学生同士でしか話していないので、
    社会に出て働いている方々と話す機会が出来て良かった。
  • 先輩方は、とても生き生きしていて、仕事もバリバリこなしていて格好いい!という印象を持った。
  • 普段、女性の少ない研究室にいるので、女性の先輩や研究者、学生と交流する機会が持てて良かった。