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SAの母校出張セミナー
vol.21 平成20年10月22日(水) 宮城県宮城第一高等学校(宮城県)
山内 紀子  工学研究科 化学工学専攻
講演タイトル: 液晶テレビを美しくする技術―ナノテクノロジーの世界へのいざない
 液晶ディスプレイの構造と、その技術を支える縁の下の力持ち“微粒子”について紹介しました。液晶ディスプレイは、ガラス板とガラス板の間(数μm)に液晶分子を挟んでいるのですが、このガラス板同士が平行でないと美しい液晶表示ができません。そこで2枚のガラス板の間に、液晶とともに数μmの微粒子(スペーサー)を入れて隙間を支えています。美しい液晶ディスプレイを実現させる為には、微粒子の大きさを揃えることが重要です---また、高校生へのメッセージとして「やりがい」「支え」「誇り」「憧れ」の大切さを伝えました。
今井 由佳  農学研究科 応用生命科学専攻
講演タイトル: 美味しく安全な牛丼を食べるための科学
 私たちが普段何気なく食べている、牛丼。この牛丼に欠かせない食材・牛肉を美味しくするための研究と、安全に食べるために行われている研究について、紹介しました。筋肉モリモリ・ダブルマッスル牛の写真には、生徒たちも驚きと笑いをこらえきれない様子でした。大学での実験には数日がかりで行うものもあり、それらを何十回、何百回と繰り返すことによって一つのデータを出していくという具体例についても紹介しました。サイエンスが身近なものに沢山活かされているということを感じ取ってもらえたのではないかと思います。
秋山 るみ  薬学研究科 分子細胞生化学分野
講演タイトル: 脂が薬になる?? 〜創薬の第一歩
 私の研究室では体の至る所に存在している脂質の一つに着目し、新しい薬のターゲットとして期待しながら研究を進めています。そんな創薬の最初の一歩をアレルギーに着目して紹介しました。アレルギーとは何か、今後どんなアレルギー薬が求められるのか、また新しい薬を見つけるためにどうアプローチしているのかなど、実際の実験データを織り交ぜて説明しました。当日、画像が映らないアクシデントがあり慌ててしまいましたが、黒板を使っての説明などで対応し、高校生に新しいものを発見する楽しさを伝えられたのではないかと思います。
曽根 美紀子  工学研究科 バイオロボティクス専攻
講演タイトル: 人を支え・助ける機械〜医療を通じて
 はじめに高校時代の様子を写真を用いて紹介し、その頃工学部を志望するまでどんな心の動きがあったのかを説明しました。そして医療に関わりたいという希望のもとで選択した道の先で、現在行っている研究を紹介しました。患者の負担を減らすことができる、内視鏡を用いた手術が安全に行われるために重要な触覚情報を得るためのセンサの開発。センサの簡単な原理や実験の結果なども説明し、研究というものを身近に感じてもらえたのではないかと思います。
 今回のセミナーは【文系・理系を問わず、サイエンスの楽しさを伝えたい!】という目標のもと、文・理系、学年を問わず、全校生徒の希望者を対象として実施しました。4人それぞれの研究紹介のあと、高校時代の進路選択、大学での生活や、大学生・院生の就職に関してパネルディスカッションを行いました。少人数を対象としたセミナーとなりましたが、特に後半は生徒を巻き込んだ形でセミナーを進め、文系の生徒からも積極的に質問があがりました。


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