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SAの母校出張セミナー
vol.26 平成21年2月20日(金) 仙台市立郡山中学校(宮城県)
佐藤 由佳  理学研究科 地球物理学専攻 宇宙地球電磁気学分野
講演タイトル: 【分科会1】地球と宇宙をつなぐメッセンジャー “オーロラ”
地球の極域で見られる神秘的な現象として知られるオーロラは、地球の周りの宇宙空間で起こる様々なプラズマ現象について、私たちに教えてくれる“メッセンジャー”でもあります。分科会では、始めに、オーロラ現象やその発生の仕組みについて、クイズを交えながら説明を行いました。その後、オーロラを始めとする自然現象を理解する上で大切な“波”という概念について、グループでの工作と実験を通してみんなで確認をしました。自分で作った波発生器を用いて、目を輝かせながら実験する様子があちらこちらで見られ、生徒の皆さんの旺盛な好奇心が大変嬉しく感じられました。
舘田 知佳  生命科学研究科 分子応答制御分野
講演タイトル: 【分科会2】植物が生きるために身につけてきた術〜遺伝子レベルから〜
植物は、私達動物と違って、自身の力で移動することができません。しかし、植物は、私達同様、様々な環境ストレスにさらされています。夏の高温や太陽からの紫外線、冬の低温や、ウィルス・バクテリアといった病原菌からの攻撃などなど。。。攻撃にさらされたからといって、簡単に死んでしまうわけにはいきません。では、どうやって植物は、環境ストレスから身を守っているのか??植物の持つ遺伝子の働きによる、ストレス耐性機構について、講演を行いました。また、病原菌感染実験時に使用する研究手法である、植物の葉への病原菌注入実験を体験してもらうため、今回は、水を植物へ注入する実験を行いました。普段研究室で研究している学生よりも上手く操作できる生徒さん達で、 将来、科学者(実験系)で活躍する人が、この中から生まれることが期待されます。
渡邊 真由子  理学研究科 数学専攻
講演タイトル: 【分科会3】数学を通して見る社会〜自分にとっての数学〜
一言で数学といっても、様々な分野があります。さらに、そこから物理や工学に応用されて、社会の中で役立っているのに、何故か敬遠されがちなのが、数学。今回は、そんなイメージを払拭すべく、数列、2進数、相対論などをクイズや実験を交えて紹介しました。簡単な数あてクイズを通し数列を説明し、その中でも自然現象とも関わりがあるフィボナッチ数列、そして数列の和がどのようになるかを紹介しました。また、GPSにも用いられている相対論では、重力を空間の曲がりと捉えているのですが、その空間の曲がりとはどのようなことなのか、ビー玉を使って重い星の周りの物体の動きの様子を実験してみせました。少し難しい内容もありましたが、生徒さんたちは興味を持ってくれたようで、とても積極的に質問してくれました。数学は役立たない、難しいだけのものと思われがちですが、今回のセミナーを通して、数学にも色々な世界があることを感じてもらえたのではないかと思います。
今回のセミナーは、郡山中学校の1学年PTA行事の一環として、1学年165人を対象に、前半は全体会、後半は3つの分科会に分けて行いました。全体会では、パネルディスカッション形式で、3人それぞれの経歴、研究の概略を紹介しました。全体会・分科会とも皆さん熱心に話を聞いてくれ、こちらの投げかけにもすぐに反応してくれました。中学生から見て、大学院生というのは遠い存在かもしれませんが、今回のセミナーが科学そのものへの興味のきっかけとなることを願っております。


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