植木 俊哉

  • 東北大学理事
  • 東北大学男女共同参画委員会委員長
  • 女性研究者育成支援推進室室長

東北大学は大正2年(1913年)、わが国の大学として初めて女性に門戸を開き、3名の女子学生を理学部へ入学させました。その伝統のもと、本学では平成13年に全学的組織として男女共同参画委員会を発足させ、「男女共同参画推進のための東北大学宣言」(平成14年)を指針に、男女格差の是正、研究・労働環境の改善、学内保育園の設置・運営を含めた両立支援体制の充実などに努めてまいりました。

平成18年度からは、これら男女共同参画の推進施策の充実に加え、特に女性研究者の支援のため「女性研究者育成支援推進室」を設置し、平成20年度までの3年間、文部科学省の支援事業に採択され、「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」を実施し、平成21年度からは この成果を踏まえ、大学独自事業として事業を継続しています。

この事業は、自然科学分野における女性科学者のキャリアパス形成にとって障害となっている様々なハードルを乗り越えることができるよう、1)育児・介護支援、2) 環境整備、3)次世代育成、の3つのプログラムを継続実施しております。

次世代育成では、自然科学系女子大学院生をサイエンス・エンジェル(SA)として総長が任命し、女性研究者のロールモデルとして、セミナーやイベントへの参加や、科学の魅力・研究の面白さを小・中・高校生などへ直接伝える活動を続けています。その活動が認められ、2011年度第6回「ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞特別賞」を受賞しました。

一方、あらたに文部科学省の支援事業として採択された「杜の都ジャンプアップ事業for 2013」を実施しており、このジャンプアップ事業の最終年度となる2013年は、まさに1913年から数えて100周年を迎える中で、1913年以来の精神を受け継ぎつつ、次の100年へとジャンプアップしていく事業にふさわしいものになるよう、更なる充実を図っていきたいと考えています。

この事業では、女性研究者の能力・職階のジャンプアップを図り、世界トップリーダーとして必要な幅広い学問領域を見渡せる「自立し、共生し、未来を育み、サイエンスを拓く杜の都女性研究者」を育成することを目的として、1)世界トップクラス研究リーダー養成、2)新ネットワーク創生、3)研究スタイル確立力アップ、の3プログラムを実施しています。

女子学生入学から100年を迎える東北大学において、女性研究者の活躍の場は益々広がっており、今後も様々な取り組みを通じて女性研究者の育成支援活動の推進に励んでまいりたいと存じます。

どうぞ皆様の一層のご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。

平成24年4月