田中 真美

  • 東北大学大学院 医工学研究科医工学専攻/工学研究科バイオロボティクス専攻 教授
  • 女性研究者育成支援推進室副室長

東北大学は「門戸開放」を理念の一つとして掲げ、男女共同参画や女性研究者支援に関わる事業等を推進してまいりましたが、これからの学問の創造や発展のためには多様性の尊重や受容がますます重要であると考えます。本学では2009年度から科学技術振興調整費「女性研究者養成システム改革加速」事業として「杜の都ジャンプアップ事業for2013」が採択され現在事業を推進しておりますが、特に女性教員の少ない理・工・農学系分野を対象として、優れた女性教員を5年間で定員枠に30名新規採用を行うこと、また女性研究者の能力と職階のジャンプアップを図り、世界トップリーダーとして必要な幅広い学問領域を見渡せる「自立し、共生し、未来を育み、サイエンスを拓く杜の都女性研究者」を育成することを目的としております。

本事業では、女性教員採用のインセンティブとして、新規採用者へのスタートアップ研究経費および所属部局への人件費の一部が付与され、また新規採用女性教員および既在籍女性教員に対しては、学会参加・英語論文校閲等のスキルアップに関する経費について支援が行われます。

本事業には3本柱となるプログラムがあります。世界トップクラス研究リーダー養成プログラムでは文系や医歯学系も含めた全学の女性教授による沢柳フェローによる複数メンター制度を確立や、講演会等各種セミナーでの横断的かつシームレスな教育システムを構築し、個々の能力のジャンプアップとなるよう展開します。新ネットワーク創生プログラムでは、全学での異分野融合による技術・人的ネットワークの創生などにより、女性研究者が研究やプロジェクト等の先導を可能とするシステムを構築することを目指しております。研究スタイル確立支援プログラムでは、男女共同参画委員会や学内のハードリング事業とも連携し支援や制度の広報を行うと共に、女性研究者の研究スタイル確立のための学内の男性も含めた全学での男女共同参画意識の啓発・醸成を進めていきます。

対象部局の女性研究者の方々には本事業の支援や各種プログラムを積極的に利用していただき、さらにご活躍されることを期待しております。本事業の成功に向けて皆様の益々のご支援ご協力をお願いいたします。

平成22年5月